米国ではワクチンを少なくとも1回は接種した人数が、COVID-19陽性者の人数を上回ったことでパンデミックの終焉に向けて一つ光が見えたというポジティブなニュースが発表された。
ブルームバーグ社のワクチン・トラッカーがまとめたデータによると2月1日の午後の時点で2,650万人の米人が少なくとも1回(人によっては2回)のワクチン接種を受けており、現在も世界でも最も早いペースにて1日に約134万回の予防接種が行われている。
ワクチン接種が開始された初期段階では展開が非常に遅く予定通りに進んでいなかったが、最初の接種から6週間程経過した現在では全人口の約7.8%が1回以上のワクチン接種を受けた計算となる。
シアトル市の郊外で昨年初めてCOVID-19の陽性反応を受けてから約1年、米国内では2,630万人のCOVID-19の陽性者が出ている。
引き続き多くの企業が在宅勤務を継続しているが、今後ワクチンが広い層で接種可能となった際に、従業員に対してどのようにワクチン接種を促すか検討され始めている。
ワクチン接種の義務化を躊躇する企業も多い反面、従業員にはワクチンを接種してからオフィス出社をしてほしいと願う企業も多いのではないだろうか。
ワクチン接種を出来るだけ推奨するという点で、最も分かり易く、また、ある程度手軽に行える対応は有給休暇や賃金報酬を提供するというものである。
ワクチン接種に際しての特別休暇を提供したり、企業によってはワクチンを接種した従業員に対して一律、現金で数百ドルの支給を検討している場合もある。
また、保険料や免責金額の減額などグループ保険の活用を促すインセンティブを提供するという方法も検討出来るようである。
非常に有効な手段に思えるこの方法だが、別の見解も示されている。
ジョンズ・ホプキンス大学感染症教授のボリンジャー博士によると、ワクチン接種に対するインセンティブ付与は、そもそもワクチン接種に否定的な従業員の(ワクチンに対する)安全性や有効性に対しての疑念を高め、接種を一層躊躇させることになる、と述べている。
また、何かしらの障害・疾患を抱えていたり、宗教上の問題等でワクチン接種をすることが出来ない従業員がいる際の対応も検討が必要な事項である。接種をしたくても出来ない人に対しては別枠のインセンティブ制度を設定し、個別の対応を検討することが重要となってくる。
またワクチン接種に関しては、各自の属性に応じ優先順位が決定されている。接種可否およびタイミングを確認するために、企業として、従業員の個人情報を入手することになるかもしれない。入手した情報は、他の医療関連の書類や情報と同様に、厳重に保管をする必要がある。
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