9月末に三井住友銀行が、10月から社外での副業を解禁するというニュースを発表したことが、大きな話題となりました。三井住友銀行では、競合しない業種で、本業に支障が出ないことを条件に、月20時間まで他の企業との雇用契約を伴う労働ができるようになりました(Side Hustles and Freelance)。
日本でも同様の取り組みは、今後多くの企業で取り入れられることになるのではないかと思われます。
一方、アメリカではすでに同様の働き方が広く認知されており、現在は特に働き方が大きく変化しています。
COVID-19の影響でリモートワークが広く普及しましたが、現在では多くの企業がハイブリッドワークやフルタイムのオフィス勤務を再導入しています。このような状況の中、多くの労働者がより柔軟な働き方を求めていると同時に、副業やフリーランスが主要な収入源の一つとなっています。経済的圧力、技術の進歩、ワークライフバランスの重視により、従来の9時5時の仕事に代わり、多様な労働形態が増加しています。
アメリカでは副業(Side Hustles)の機会が、UberやEtsyなどのデジタルプラットフォームの台頭により大幅に拡大しました。2023年には、アメリカの労働者の30%以上が副業を持っており、この数は過去10年間で着実に増加しています。また、フリーランスとして働くアメリカ人は6,400万人に達し(2022年から400万人増加)、労働市場の大きな部分を占めています。
Statistaのデータによれば、2022年には何らかのフリーランス業務を行っている労働力が約36%にまで達し、2030年までに50%に達する可能性があると予測されています。副業の収入は業界や個人のスキルによって異なりますが、平均して年間約12,000ドルの追加収入を得ているようです。
副業やフリーランスを選ぶ最大の要因の一つは、時間やキャリアに対するコントロールを持てる点です。また、生活費の上昇とインフレにより追加の収入を求めているという側面もあります。企業に属しながら、副業やフリーランスで活動することによって、自身の本当にやりたいことを行ったり、キャリアアップのスキルを磨くことが可能です。また多くの労働者は、この過程を通して、最終的には副業をフルタイムにすることを考えている場合も多いです。
働き方という考え方が変化する中で、副業やフリーランスは今後益々、一つの働き方として重要な要素としての役割を果たすのは間違いないでしょう。仕事の安定性や福利厚生といった課題は残るものの、柔軟性、経済的独立の魅力が、より多くの労働者を非伝統的なキャリアパスに向かわせると考えられます。
この新しい働き方の流れを踏まえ、企業側と従業員側の双方が変化に適応していくことが重要になります。企業側は、従業員の副業やフリーランス活動を支援する柔軟な制度や、働きやすい環境の醸成に注力する必要があります。これには、明確な副業ポリシーの策定、時間管理システムの改善、社内でのスキル開発プログラムの提供などが含まれます。
一方、従業員側は自身のスキル向上と市場価値の向上について、より積極的に考える必要があります。副業やフリーランス活動を通じて新しいスキルを習得し、多様な経験を積むことで、キャリアの選択肢を広げることができます。また、自己管理能力や時間管理スキルの向上も求められるのではないでしょうか。
Comentaris