傷病休暇:Paid Sick Leaveという有給での休職が全米でトレンドになっている昨今。
今回は、さっくりと最近の米国での休暇に関してのトレンドを。
2018年1月からワシントン州で、従業員への傷病休暇(Paid Sick Leave)の提供が義務付けられた。既にワシントン州では、シアトル市にオフィスを構えている企業には傷病休暇の提供が義務付けられていたので、その義務が州全土に広まったという事になる(ワシントン州とシアトル市では、提供方法等が異なるので注意)。
今までも義務付けられた場所で傷病休暇を提供していた企業は多数あるし、また義務付けられていない場所で既に提供をしている企業もあるだろう。それでは義務付けされる事で何が変わるのかというと、企業が提供をしなければいけない従業員のステータスが広がる、という事になる。傷病休暇とはベネフィットの一環で提供されているものであり、その性質は有給休暇(Vacation)に似ている。
つまり、企業でのフルタイム従業員のみに提供されている場合がほとんどであろう。これが義務付けられる事によって、今までは提供をする必要の無かったパートタイム従業員にも提供をしなくてはいけなくなるのである。
一般的に考えて、パートタイム従業員の多いとされる業種、例えば飲食業や小売業にはコストや管理の側面からみてもちょっと検討する必要のある事が増えてしまったという事になる。
現状で州単位で傷病休暇が義務付けられている場所は:1)アリゾナ、2)カリフォルニア、3)コネチカット、4)ワシントンD.C.、5)マサチューセッツ、6)オレゴン、7)ロードアイランド、8)バーモント、9)ワシントンの合計9州となっている。
但し、州単位では義務付けられていないが、ニューヨーク市やシカゴ市、その他多くの都市では都市ごとに条例が設立されている。またカリフォルニア州のように、州単位で義務付けられている上で、各群、各都市で更に厳しい条例が設立されている場合もある。
各州や各都市で提供方法や提供時間数が異なる事も忘れないように!傷病休暇の提供義務に関しては、以前のコラムで記載した最低賃金の上昇と同様、今後は全米に広がって行く法律であると考えられる。コストの面だけでなく、管理や制度の構築という点からも考慮をするべき事項の一つであるのは間違い。
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