22日にDepartment of Labor(米国労働省)にて、レストランのチップの取り扱いに関連する新たなルールが発表された。
発表された新たなルールによると、レストランの雇用主はチップを収集した上で、調理人やディッシュウォッシャー等の「Back-of-the-House(裏方)」への給与の支払いの補填をすることが可能となる。この新たなルールはレストラン内での従業員への平等性を向上させることが目的で提案されている。
Economic Policy Institute(経済政策研究所)の分析によると、この新たなルールでは労働者(主にウェイター)に支給される金額が7億ドル以上の減ることになる見込みである。
また雇用主はチップを提供した従業員に対して、掃除などの通常はチップ支払い対象業務に含まれていない労働をより多く課すことも可能となり、一部従業員はチップの金額が減ると共に、業務範囲の拡大ともなる。
具体的には、新たなルールにより、80-20(エイティ・トゥエンティ)ルール(チップを受け取る従業員に対して、20%以上をチップに含まれていない業務に費やすことを課すことが出来ない)が撤廃され、「合理的な時間」という曖昧な解釈のもと、チップに含まれていない業務をより多く課すことが可能になる。
ちなみに80-20ルールはチップクレジット(時給2.13ドル以上で、チップを含めて連邦法最低賃金の時給7.25ドルに達する)で就労をしている従業員に適用されている。
裏方の従業員の賃金が上昇することへの賛成意見もある中、政策としては雇用主寄りの政策であり批判や反対意見も多い。
チップを受け取った従業員が例えば店内の掃除を課せられた場合には、Janitorを含む清掃専門人員の雇用減少に繋がと予想されている。従業員の給与が上昇するという側面もあるが、政策としては雇用主側により有利なものであるという見解もある。
National Restaurant Association(全米レストラン協会)専属の弁護士はこの発表には賛成のようである。
現状では未だ発表(プロポーザル)の段階であり、今後60日間の猶予期間がある。その間に政権交代があるため、このルールは延期になる可能性もある。
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