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執筆者の写真榊原 将/HR Linqs, Inc.

リモートで人材採用するときの注意点と対策

2020年3月11日にThe World Health Organization(WHO)がCOVID-19を世界的パンデミックと認識をしてから早1年。


全人類が世界中のどの場所にいても「2020年=COVDI-19の年」という認識が共有されている稀有な1年であったことは間違いない。


この1年間は企業にとっては変革力・適用力が試され、同時にそれは労働者の働き方が大きく変わった・変わらざるを得なかった要因ともなっている。

「リモートワークの定着」

COVID-19以前の世界では、リモートワークの導入に消極的な企業が少なからずあったものの、現在はCOVID-19以降もリモートワークの継続を発表している企業が多数ある。ビジネスの形態や業種により対応が異なるものの、フルタイムでのリモートワークという選択肢以外にも、オフィス出社とリモートワークのハイブリッド勤務等、何らかの形でリモートワークを提供する企業が一般的になると思われる。


今後も労働者からのリモートワークのニーズが高まり、企業はリモートワークの提供を考慮することになると想定される。Willis Towers Watson社の調査結果によると、COVID-19以前の米国ではわずか3.6%の労働者が1週間に2-3日、リモートワークで業務を行っていたのに対し、2021年度末には労働者の約30%の約4,200万人がフルタイムでのリモートワークで業務を行うことになると発表されている。


「採用プロセスの見直し」

リモートワークの定着により企業はリモートワークでの採用プロセスの見直しをする必要がある。


レジュメを確認して、オフィスに来てもらい面接、採用後はオフィスで研修をするというような従来の方法と同時に、リモートワークでの採用プロセスや注意点を事前に確認しておくことで採用活動をスムーズに行うことができる。


「リモートワークにおける採用上の留意点:インタビュー」

リモートワークの人材を雇用する場合、オンラインでインタビューを行うことも多い。オンライン・インタビューは、同じ空間にいることは出来ないが、より多くの人数がウェブ上で候補者と話をすることが出来るのは便利な側面も多い。以下の点がオンライン・インタビューを実施する上の留意点となる:

  • インタビューの録画

後日インタビュー内容を見直すため、インタビューの録画をする企業も増加している。例えばカリフォルニア州では州法により、社内会議含め録音や録画をする際には、参加者全員の同意が必要となる。各州によって異なる法律が存在するため、録音・録画をする必要がある際には事前に州法の確認を行う必要がある。

  • オフィス出社

オンラインでインタビューを行い、リモートワークで初日を迎えるという状況が続いているため、候補者は対象ポジションが完全かつ永久にリモートワークでの業務と認識する場合も少なからずある。COVID-19収束後オフィス勤務が必要なポジションの場合、インタビュー時に明確に通知をするべきである。業務開始時にはオフィス出社をして対面でオリエンテーションを行う場合にも同様の措置が必要である。


「リモートワークでの雇用上の留意点:オンボーディングと労務管理」

インタビューのプロセスと共に、以下にも留意が必要である。

  • リモートワーク・ポリシーの作成

  • リモートワークの勤怠管理の確認

  • 採用をする場所(州や都市)での雇用関係州法や条令の確認

  • 必要備品の貸与の方法・返却の方法の確認

オンボーディング(採用後の研修)プロセスを効率化し、限られた時間で最大限の情報共有ができるような工夫をすることも重要な点となる。


リモートワークが定着化したことで管理職・非管理職共にコミュニケーションや、共同作業の難しさを体感している。新入社員にとってはこれらは一層高いハードルとなる。いつでもコミュミケーションが取れ、質問に応対できる環境を構築するのも一つの方法である。


オンボーディングに関する要望ヒヤリングの一つに「Preferred Communication Method(希望の通信手段)」という質問を設けている企業も増加してきていることからもわかるが、上記を考慮した上で、リモートワークに最適なコミュニケーション方法を模索することが望ましい。

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