この数か月間、米国の失業率は数値上では低下をしており、米国の経済は回復に向かっているように見受けられる。
今回は長期失業者に関しての調査結果が発表されたのでまとめてみる。
U.S. Bureau of Labor Statistics(BLS:米国労働統計局)において、長期失業者とは27週間以上継続して仕事をしていない労働者のことを指す。
10月、11月の失業者の調査報告(失業期間別の区分け)は以下となる:
26週間以上失業をしている長期失業者が増加しており、1人当たりの失業期間は平均的に長くなっている。
失業が長期化することで失業状態が続く人種のグループにも変化がみられる。
10月の失業率は55歳以上の労働者で5.2%に低下している。
またThe New SchoolのThe Retirement Equity Labからは、50年振りに55歳以上の労働者がMid-Career(35-54歳の労働者)よりも高い失業率に面していると発表されている。
2020年4月から9月までの統計では、55歳以上の失業者のうち平均28%が就職をしているのに対し、Mid-Careerの失業者は平均32%が就職をしているとの結果である。
長期失業者が求職する際の課題としては、仕事を探すことの困難さが挙げられる。仕事を探すのは就労をしている時の方が比較的簡単であり、失業者の方がはるかに労力がかかる。
2017年のNYリバティ・ストリート・エコノミクスの調査によると、失業中の労働者は1週間に8.4時間を費やし月に8.1件の求人に応募をしていたのに対し、雇用中の労働者は1週間に1.2時間を費やし月に1.2件の求人にしか応募をしていないにも関わらず、連絡や仕事のオファーがより頻繁にあることが報告されている。
Comments