企業への給与計算サービスを提供している米大手ADP(Automatic Data Processing)社が発表した全米雇用報告、7月の民間雇用者数は16万7千人の増加となり、予想の100万人増を大きく下回った。
16.7千人のうち、1千人を除く全ての雇用がサービス業からの増加であり、雇用市場全体としての回復はまだまだ時間がかかりそうである。
6月の雇用者数は当初発表されていた240万人から430万人に上方修正されたことと比較すると、16万7千人という数値は7月の市場回復が急激に鈍化をしたことを表している。
この鈍化には各州でのCOVID-19感染者数増加に伴う経済活動再開の再停止が大きく関わっている。
なお、3月と4月の2か月で失われた雇用数1,970万人と比較すると、5月以降の雇用者数増加(5月:334万人、6月:430万人、7月:16万7千人の)ではまだ4割弱の回復である。
なお、7月に増加した雇用件数16万7千人の内訳は以下のとおり。
「会社規模」
従業員数500名以上:12万9千人増
従業員数50名-499名:2万5千人減
従業員数50名未満:6万3千人増
7月に雇用が増加した主要なサービス業は以下となる。
「サービス業」
専門職とビジネスサービス:5万8千人増
教育・保険サービス:4万6千人増
貿易・運輸・公共事業:4万1千人増
多くのバーや飲食店が全米で閉鎖されているが、ホスピタリティ部門は3万8千人増という結果であった。また、製造業が1万人増であるのに対して、建設業は8千人減であった。
8月7日の金曜日にはDepartment of Laborが非農業部門の雇用者数を発表するので、こちらの数値にも注目したい。
6月には480万人増という記録的な数値が調査結果であったが、7月は148万人増の予想となっている。
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