2023年4月初旬、米国労働省の労働統計局(Bureau of Labor Statistics)が実施する、米国の労働市場に関する統計情報の月次調査であるJob Openings and Labor Turnover Survey(JOLTS)の2023年2月の結果が発表された。
ここ2年ほどは、米国では売り手市場が続き、人手不足が深刻化していたが、今回のJOLTSによると、企業からの求人数が1,000万件を下回り、993万件に減少した。この数値は1月のものより63万2,000人減少している。求人数が1,000万人を下回ったのは、2021年5月以来で初めてである。
下の表の折れ線グラフで示されるオレンジ色と青色の線の乖離が人材不足を表しており、その差が狭まってきてることが分かる。このことから、労働需要が減速している兆しが見られる。
各業界毎での求人数・雇用者数は以下となっている(2023年1月の調査、単位:千人):
JOLTSで発表されたその他の数値を確認すると、自主退職の割合が減少した一方で、解雇(レイオフ)が増加していることも確認をすることが出来る。
企業のレイオフが増加していることから、今後は労働者がより良い職場環境や高い報酬を求めて退職する可能性が低くなると予想される。
今後の労働市場を予測する上で、引き続き注視する必要がある調査となる。
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