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執筆者の写真榊原 将/HR Linqs, Inc.

通勤費

米国の企業では日本のように通勤費を支給するということが当たり前の慣習ではない。

通勤は個人の時間であり業務時間とは考えず、会社に到着をしてからが業務時間と考えるためである。


そのため、通勤時の事故は労災に適用されない場合が多い。


COVID-19の影響により、多くの企業がリモートワークを導入している現在でもオフィス出社への通勤費を支払う企業は少ない。


そんな中で先日NTT社が従業員3万人の通勤を出張扱いにするという方針が発表され、これは米国でも話題となった。


労働力不足の中で人材を引き付けることが一つの主要な目的である。


今回NTT社の決定はリモートワークを恒久的に導入することを前提とした制度であり、日本全国どこからでも働ける環境を整える方針の一環であるようだ。


飛行機で出社をする場合の飛行機代、また出社が義務付けられた際の宿泊費も出張扱いで会社が負担することとなる。


スターバックス社やテスラ社のように、オフィス出社が重要であり、出来るだけ多くの従業員をオフィスに戻すことを検討したポリシー作りをしている企業も多いが、Airbnb社や今回のNTT社のようにリモートワークを恒久的にする考えを持つ企業もある。


ただしこのNTT社の発表は米国よりは国土の狭い日本だから行えることのように思える。広大な米国ではより多様な視点で方法を検討する必要があるだろう。


どちらの方針もメリット・デメリットはあるが、通勤費を支給するかどうかは長期的な戦略の一環として検討が必要な事項であることは間違いない。

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